大人子供の日々徒然

極めてどうでもいい雑記です。

【MLB】トラウト&ブライアント受賞。MVPの最重要指標はWARになった模様。2016年MVP総括

2016/12/03

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サイ・ヤング賞に続いて2016年レギュラーシーズンMVPの発表がありました。
サイ・ヤング賞についてはひとつ前の記事であれこれ語りましたので、引き続きMVPについてもお付き合い頂ければ幸いです。

メジャーのMVPが決定!トラウトは2度目、ブライアントは新人王翌年の受賞(ベースボールキング) - Yahoo!ニュース
今シーズンのメジャーリーグにおける最も優れた選手、「MVP」が決定。ア・リーグはマ - Yahoo!ニュース(ベースボールキング)
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2016年MVP - アメリカン・リーグ

まずはアメリカン・リーグから参りましょう。結果はこちらの通り。カッコ内は、1位票〜10位票の票数です。

【受賞】マイク・トラウト(LAA)
356ポイント(19/8/1/0/1/0/1/0/0/0)

【2位】ムーキー・ベッツ(BOS)
311ポイント(9/17/4/0/0/0/0/0/0/0)

【3位】ホセ・アルトゥーベ(HOU)
227ポイント(0/2/15/11/2/0/0/0/0/0)

MVPの予想については当ブログで書いていなかったので今となっては何とでも取り繕えますが、正直に申し上げましょう。ベッツが獲ると思っていました。予想、大外れ。
確かにトラウトは素晴らしいパフォーマンスを発揮しましたが、いかんせんチームがパリッとしなかったので『MVPはないな』と考えていました。一方のベッツは地区優勝を果たしたレッドソックスの中核として攻守に渡って大活躍しました。2011年のジャコビー・エルズベリーを思わせる成績でしたね。

ただ、各種成績だけではなく、セイバーメトリクス指標を見比べてみると、『やっぱりトラウトだったのかな』という印象を持つに至りました。

最終候補者・成績比較(アメリカン・リーグ)

というわけで、最終候補者の3名(トラウト・ベッツ・アルトゥーベ)の各種成績を以下の表にまとめました。尚、カッコ内の数字はリーグ順位です。

項目 M・トラウト M・ベッツ J・アルトゥーベ
得点 123 (1) 122 (2) 108 (7)
打率 .315 (5) .318 (2) .338 (1)
安打 173 (16) 214 (2) 216 (1)
本塁打 29 (26) 31 (19) 24 (38)
打点 100 (14) 113 (4) 96 (21)
盗塁 30 (2) 26 (6) 30 (2)
四球 116 (1) 49 (40) 60 (23)
三振 137 80 70
出塁率 .441 (1) .363 (11) .396 (4)
長打率 .563 (2) .534 (8) .531 (12)
OPS .991 (2) .897 (8) .928 (5)
WAR 10.55 (1) 9.55 (2) 7.65 (3)

出典:MLB.com・ESPN

ひとまずアルトゥーベさんにはお待ち頂いて、トラウトさんとベッツさんの比較をします。

打率、安打、本塁打、打点ではベッツに軍配が上がります。
昨シーズンもその才能の片鱗を見せる優れた成績を挙げたものの、今シーズンほどの長打力を発揮することはありませんでした。3割30本100打点をクリアし、大きな飛躍を果たした今シーズンの活躍は特筆に値します。
また、打撃以外の面でも守備防御点(DRS)+24という高水準を叩き出し、レッドソックスの地区優勝に大いに貢献しました。
惜しむらくは、30盗塁まであと4盗塁足りなかったことです。30-30を達成していればもっと見栄えの良い成績になっていました。

一方のトラウトは、得点、盗塁、四球、出塁率、長打率(とOPS)、WARの項目でベッツより優れています。
得点、四球、出塁率、長打率、WARはセイバーメトリクスが広まってから特に評価基準になりやすくなった項目です。トラウトはこれらの全てがメジャー最高水準であり、特にWARの高さは際立っています。10.55ですよ。10.55。平均的な選手と比べて、トラウトはひとりで10.5勝を稼ぎ出すという計算です。どういうことだ……
さらに今シーズンは四球を大量に選んだことで出塁率をバリー・ボンズ並の数字にし、思い出したかのように盗塁を決めたことで単騎の攻撃力を向上させました。
パッと見の成績よりも、セイバー指標の優秀さが選考過程において評価されたのでしょう。まぁ、パッと見の成績も十分にすごいですけどね。本塁打があと1本出ていたら完璧でした。

MVP投票では3位に終わったアルトゥーベも、十二分に素晴らしい成績を残しました。
3年連続リーグ最多安打と5年連続30盗塁以上を記録しており、6年のキャリアですでに2度の首位打者を獲得している巧打者であるアルトゥーベ。今シーズンは四球を昨シーズンの約2倍にしたことと、本塁打数を大幅に伸ばしたことで、出塁率は限りなく4割に近い数字へと達しました。また、打点も限りなく100に近い数字を叩き出し、巧打者から強打者への進化を見せました。
アルトゥーベは個人的に応援している選手なので、来シーズンの更なる飛躍を期待しているところです。これ以上飛躍しちゃったらとんでもないことになりそうなのは置いておきましょう。

記者投票数(アメリカン・リーグ)

アメリカン・リーグMVPの得票は以下の通りです。

選手名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 PT
M・トラウト(LAA) 19 8 1 1 1 356
M・ベッツ(BOS) 9 7 14 311
J・アルトゥーベ(CLE) 2 15 11 2 227
J・ドナルドソン(TOR) 2 9 7 6 4 1 1 200
M・マチャド(BAL) 5 7 9 4 3 1 1 150
D.オルティス(BOS) 1 1 3 6 2 7 5 1 1 147
A・ベルトレ(TEX) 1 1 3 6 2 7 5 1 1 135
R・カノ(SEA) 1 2 3 4 5 4 6 79
F・リンドール(CLE) 2 4 5 4 5 56
M・カブレラ(DET) 3 3 3 9 2 56
Z・ブリットン(BAL)  1 3 2 11
K・シーガー(SEA) 2 2 10
B・ドージャー(MIN) 1 1 4 9
E・エンカーナシオン(TOR) 1 1 2 7
N・クルーズ(SEA) 1 1 6
C・セール(CWS) 1 3
J・ラミレス(CLE) 1 2
J・バーランダー(DET) 1 2
A・イートン(CWS) 1 1
C・クルーバー(CLE) 1 1
E・ロンゴリア(TB) 1 1

出典:BBWAA

いやはや、表を作るだけでも一苦労。

改めて見ると、トラウトとベッツはかなりの接戦でしたね。それと、最終候補外のドナルドソンが3位のアルトゥーベにかなり肉薄しました。

その他にも、マチャド・オルティス・ベルトレ・カノといった以前の記事で注目した選手がコンスタントに得票していました。彼らの総合成績を鑑みると、当然のことなんですけどね。

WAR基準で行くと、ブライアン・ドージャーの得票がだいぶ少ないと感じました。
ドージャーのWARはリーグ9位(6.53)で、今シーズンのツインズにおいてはまさに孤軍奮闘したと言える成績を残しました(打率.268・42本塁打・99打点・OPS.886)が、前半戦の不調と後半戦の帳尻力発揮が過小評価の原因かもしれません。それに、チームもグダグダでしたからね。
とは言え、アメリカン・リーグの二塁手で初のシーズン40本塁打はなかなかのトピックだったはずですから、もうちょっと得票が伸びても良かったかな……と思います。

それと、ダスティン・ペドロイアの名前がないのも気になりました。
今シーズンのレッドソックスは誰も彼もが打ちまくりで、ペドロイアの存在感が薄れてしまった感があります。それでも、打率と安打数はリーグ3位(打率.318・201安打)、得点も3ケタ(105得点・リーグ10位)を記録し、OPSも.800台に乗せました。
レッドソックスのフランチャイズ・プレイヤーと言えば誰が何と言おうとペドロイアです(オルティスはツインズからの移籍組)。オルティス引退後のチームの象徴として、今後も長きに渡ってレッドソックスでプレーして欲しいものです。

2016年MVP - ナショナル・リーグ

ナショナル・リーグの結果はこちらの通り。カッコ内は、1位票〜10位票の票数です。

【受賞】クリス・ブライアント(CHC)
415ポイント(29/1/0/0/0/0/0/0/0/0)

【2位】ダニエル・マーフィー(WSH)
245ポイント(1/11/10/6/1/0/1/0/0/0)

【3位】コーリー・シーガー(LAD)
240ポイント(0/11/10/7/2/0/0/0/0/0)

満票受賞とは行かなかったものの、ブライアントの圧倒的な勝利に終わりました。下馬評通りと言うか何というか。
一方、マーフィーとシーガーは大接戦を演じました。片やシーズン前半に4割近くの打率を誇り、シーズン最終戦で惜しくも首位打者を逃した巧打者。片やメジャー定着初年の遊撃手ながらハイレベルな成績を残した新鋭。BBWAAの中の人達もだいぶ悩んだことでしょう。

最終候補者・成績比較(ナショナル・リーグ)

では、例によって成績比較表を作成しました。ご査収ください。

項目 K・ブライアント D・マーフィー C・シーガー
得点 121 (1) 88 (16) 105 (5)
打率 .292 (20) .347 (2) .308 (7)
安打 176 (10) 184 (5) 193 (2)
本塁打 39 (3) 25 (24) 26 (23)
打点 102 (6) 104 (4) 72 (38)
盗塁 8 5 3
四球 75 (11) 35 (84) 54 (34)
三振 154 57 133
出塁率 .385 (9) .390 (7) .365 (18)
長打率 .554 (4) .595 (1) .512 (10)
OPS .939 (4) .985 (1) .877 (13)
WAR 7.67 (1) 4.59 (13) 6.87 (2)

出典:MLB.com・ESPN

こうして見ると、『あれ?ブライアントの成績、ビックリするほどじゃないんじゃね?』と思えます。
121得点は堂々のリーグ1位、39本塁打はリーグ1位に2本差のリーグ3位で、他のふたりを大きく引き離す数字ですが、他の成績ははっきり言ってそれほどでもないように感じます。
ブライアントのMVP受賞には、リーグトップのWARを記録したこと以上に、所属チームの優勝(108年ぶり!)が大きな影響を与えたように思います。フィリーズやパドレスあたりで同じような成績を残したとしても、MVPは取れないはずです。トラウトのように、10を超えるWARを記録しているのなら話は別ですけどね。
カブスのワールドシリーズ制覇は、今シーズンのMLB10大ニュースを挙げるなら100人中100人が1位に選ぶ(ような気がする)大事件でした。優勝パレードでのウソのような集客を見れば、シカゴがどれほどのお祭り騒ぎであったか容易に想像できます。

108年ぶりVカブスがパレード 500万人が祝福 - MLB : 日刊スポーツ
米大リーグのワールドシリーズ(WS)を108年ぶりに制覇したカブスが4日、本拠地シカゴで優勝パレードを行った。地元メディアによると、公立学校が臨時休校となった… - 日刊スポーツ新聞社のニュースサイト、ニッカンスポーツ・コム(nikkansports.com)

500万人ですよ500万人。ちょっと考えられない人数です。
「108年ぶりにワールドシリーズ制覇を成し遂げたカブスで、最もチームの勝利に貢献した打者」としてのトピックが大いに評価されたのでしょう。

マーフィーはそれぞれの成績にばらつきがあって、ある意味面白いですね。
長打率とOPSがリーグ1位ですが、四球はかなり少なく、「出塁率が低いのかな」と思いきや4割近くを記録しています。また、三振が極端に少なく、ボールをことごとくバットに当てていた=コンタクトに優れていたことが読み取れます。ほぼフルシーズン出場したにも関わらず、四球がたったの35で出塁率が.390はちょっと気持ち悪い数字です。5月に4割を超える打率を記録したのも十分にうなづけます。

シーガーは本当に新人離れした成績を残しました。
ポジションが遊撃手ということも手伝い、新人王を満票で受賞したことのみならず、メジャー定着1年目からいきなりMVP最終候補に残るなど、順風満帆なスタートを切りました。
彼は野球エリートのシーガー兄弟のなかでも最も才能に恵まれているともっぱらの評判です。来年以降はいったいどんな成績を残すことになるやら。楽しみですね。

記者投票数(ナショナル・リーグ)

ナショナル・リーグでは以下の選手が得票しました。アメリカン・リーグ同様、表にまとめましたのでご覧ください。

選手名 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 PT
K・ブライアント(CHC) 29 1 415
D・マーフィー(WSH) 1 11 10 6 1 1 245
C・シーガー(LAD) 11 10 7 2 240
A・リゾ(CHC) 3 4 10 10 1 2 202
N・アレナド(COL) 3 6 6 11 3 1 199
F.フリーマン(ATL) 1 1 2 12 6 4 2 1 129
J・ボット(CIN) 1 4 12 5 5 1 100
Y・セスペデス(NYM) 3 2 5 3 1 45
J・ターナー(LAD) 1 3 1 4 3 1 44
M・シャーザー(WSH) 1 1 2 4 4 39
P・ゴールドシュミット(ARI) 2 3 6 18
J・クロフォード(SF) 1 1 1 1 1 15
J・セグラ(ARI) 1 2 7 14
B・ポージー(SF) 1 1 1 11
DJ.ルマイユ(COL) 3 2 8
M・バムガーナー(SF) 1 1 7
J・ファミリア(NYM) 2 6
W・ラモス(WSH) 2 6
A・ラッセル(CHC)  5 5
N・シンダーガード(NYM) 1 1 5
C・イエリッチ(MIA) 2 1 5
Y・グランダル(LAD) 1 4
K・ヘンドリクス(CHC) 1 2
R・ブラウン(MIL) 2 2
Y・モリーナ(STL) 2 2
C・ブラックモン(COL) 1 1
J・クエト(SF) 1 1

出典:BBWAA

上位票はある程度固まったものの、下位票が見事にばらけ、得票者がやたらと多くなりました。表作るの、めっちゃしんどかった……

ナショナル・リーグもアメリカン・リーグ同様、以前の記事で注目した選手に票が集まりました。

リゾはブライアントの後塵を拝したとは言え、堂々の4位入賞。一方、二冠王を獲得するなど非常に見栄えの良い成績を残したアレナドはさほど得票数が伸びませんでした。恐るべしクアーズ補正。

今シーズンの票数は伸びませんでしたが、ポール・ゴールドシュミットの来シーズンに期待しています。
選球眼に優れ、長打力もあり、そこそこ盗塁もでき、一塁手であることから、私のなかでの位置付けは「ちょっと足の早いジョーイ・ボット」でしたが、まさか32盗塁を決めるとは。
現在のナショナル・リーグで30本塁打30盗塁を期待できそうなのは、ゴールドシュミットとブライス・ハーパー、それにウィル・マイヤーズくらいでしょうか。

まとめ

MVPの選考基準がWAR優先であることを改めて知らしめた今シーズンでした。

さすがに、三冠王を獲得するなどの極めて突出した成績を挙げればWARは二の次になるでしょう。2012年シーズンのミゲル・カブレラが良い例です。
とは言え、生半可な成績ではWAR重視の選考に引っかからないことも良くわかりました。傑出した WARの前ではチーム成績さえ脇に置かれます。今シーズンのマイク・トラウトがそれを証明して見せました。
優先度は、

MLB史上に残る傑出した記録・成績 > WAR > プレーオフ進出への貢献度 > リーグ最上位クラスの成績

といったところでしょうか。
サイ・ヤング賞に比べ、MVPのほうがその選考過程でセイバー指標を参照している感じですね。

現時点で来シーズンの受賞者予想を立てるのはいくらなんでも早すぎるので、ひとまず移籍や契約のニュースを楽しみつつ、年末を過ごしたいと思います。

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